PROGRAM2 神影

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オレはこの文章を、紅蓮か雛が読んでくれることを祈って、ここに残す事にする。アリスには読ませないで欲しい。 オレは死ぬ。 それはすでに決まった未来だ。覆す事は出来ない。だから、紅蓮、雛。お願いがある。信じられないかも知れないけど、このままじゃこの先、みんな死んでしまう。アリスも、雛も紅蓮も……これからみんなが出会う人々も………。だから変えて欲しい、未来を、みんなを、それでみんなが助かるなら、何でもしてほしい。最後に無理なお願いをしてごめん。 みんな…大好きだった。 それから、アリスに好きだったって…伝えてくれ。 「なんだ…これは……?」 とても遺言とは思えない内容が頭の中を支配する。 みんな死ぬとはどういう事だ? 「蒿はね…時間を支配するエレメントコントロールを使えたんだ……時間を戻したりとかは出来なかったけど、未来を見たり、時間を停めたり、時間軸をいじる事が出来ていたんだ。そしてそれを相手に施す事も出来た……」 おじさんは思い出すように語り始めた。 つまり、おじさんはこの遺言を見たんだろう。 携帯電話を閉じて、俺はそのままおじさんの話に聞き入ることにした。 「蒿は常々言っていたよ。みんなを助けるんだって……みんなは死なせないって。未来を見ても、タイムパラドックスが起こるから事前に変える事は出来なかったみたいだけど……それでも、その時その時頑張って…こんな事になってしまった………。 紅蓮君……あの子の意志を、継いではもらえないだろうか? 頼む、この通りだ!」 「おじさん……」 おじさんは話しが終わるのと同時に、頭を深々と俺に向かって下げた。 俺に出来るのだろうか? 蒿も助けられない、この俺が……。 そう考えても、俺の答えは変わらない。 変わる筈が………なかった…………。 「分かりました。俺が……蒿の意志を継ぎます。だからおじさん……頭を上げて下さい……」
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