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「宜しく、紗雪さん!ねぇ、年は幾つ?」
「十七よ」
「はぁ!?」
「なんだ、同い年か。じゃあ、お互い呼び捨てね!宜しく、紗雪…」
十七…その数字に俺も驚いた。
俺は少なくとも二十は行っていると思っていたから、余計だ。
「じゃあアリス、荷物の整理して来るから、ちょっと待ってて……」
「うん、じゃあ終わったら呼んで。色々お話したいから」
そして俺と紗雪はアリスの部屋から、隣の空き部屋へと入っていく。
すると紗雪が…
「アリス…元気そうね……。落ち込んでしまってるかと思ってたわ…」
「そんな事はない…アイツがやたら元気な時は落ち込んでる時だ。空元気なんだよ…周りを気遣ってな……」
あまりアイツを知らない奴は気付かないだろうな……俺や雛は気付いてはいるが、今は知らないふりをしている。
「必要な物は大体揃えておいた…他に必要な物があれば言ってくれ……」
俺は紗雪を案内し終えると、そのまま自分の部屋へと帰って行く。
「分かったわ、ありがとう」
「さて……」
自室へと帰った俺は、パソコンを起動させて席に着いた。
あの事件の時に現れた仮面の男を調べる為、インターネットへと接続する。
藍沢の事はすでに調べ、人造人間の生産エラーとして処理されている事になっていた。
恐らく誰かが藍沢の処理情報を改ざんし、藍沢を連れ去ったのだろう。
「どうやって調べるか……」
手掛かりという手掛かりは全くない。
ひとまず俺は、仮面の男と検索キーワードを入力し、エンターキーを押した。
「…やはり簡単には見つからないか……」
出てきたものの殆どはネット小説や掲示板、スレッドに含まれるキーワードばかりで、めぼしいものは無さそうだったが、俺は一通り目を通す事にした。
「長くなりそうだな……これは………」
「アリス、入るわね……」
私がテレビゲームで気晴らししていると、紗雪が入って来た。
すかさずゲームをタイムして、私は紗雪の方に向き直った。
「あ、紗雪。もう終わったの?」
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