27人が本棚に入れています
本棚に追加
だが……何故皇家を護る役であるはずの神影が、俺達を助けに来たんだ………。
そうして考え事をしていると、部屋の外から何やら悲鳴らしきものが聞こえてきた。
「ぬあぁ~!」
「何だ……」
俺は悲鳴の聞こえたアリスの部屋の戸を開けた。
するとそこには、喜んでいるアリスと、真っ白い灰と化している紗雪がいた。
どうやらテレビゲームをしているようだった。
「…どうして……勝てない……あんなのに勝てる訳がないわ!!」
紗雪が頭を抱え込んで叫んでいる。
「ゲームでアリスに勝とうなんて思わない方がいいぞ、紗雪。こいつはゲームに関しては負け無しのゲームの亡者だからな」
アリスは一応、ゲーム大会で何度も優勝しているチャンピオンだ。
そこいらのゲーマーですら歯が立たないというのに、簡単に勝てる訳がない。
「亡者とはヒドいな~。紅蓮なんか戦闘狂のクセに……」
誰が戦闘狂だ。
俺は心の中でそう思いつつ、灰と化している紗雪の肩を叩いた。
「まあ、せいぜい頑張れ……」
「うぅ……」
紗雪がうなだれるのとほぼ同時、玄関の方から義母さんの声が聞こえてきた。
「ただいま~。二人共いるの~?」
義母さんは何やら沢山の食材を買い込んでいた。
椎茸に長ネギ、白滝に白菜。
「義母さん…一体何をするつもりなんだ……」
「えーっとね~。すき焼きをしようかなって思ってるのよ~、明日」
「何で明日なの?お母さん??」
「それはね~アリス。実は紗雪ちゃんともう一人、家に来ることになっているからよ~」
おいおい、そんなに人を増やしてどうするんだ…。
もう部屋が余ってないだろう。
「もしかして、雪詩奈の事かしら……」
「なんだ、知ってるのか……紗雪」
俺がそう問うと、紗雪はええと頷いて雪詩奈の事について話し始めた。
「雪詩奈は私が所属している研究所の人造人間なのよ。幼い頃から姉妹のように暮らしていたの…妹みたいなものよ……。
私が出てくる前ぐらいだったと思うけど、
最初のコメントを投稿しよう!