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雪詩奈が喜んで『明日から学校に行くんだ』ってはしゃいでいたし……」
「だったら間違いないみたいね~。お父さんが『学校に行かせたい子がいる』って言ってたから……」
紗雪に続けて義母さんがそれを補填する。
厄介なのがまた増えるわけか……この先が思いやられる………。
とそこで思い出す。
部屋の問題だ。
「ちょっとまて、盛り上がるのは一向にかまわないが、部屋はどうするつもりなんだ……義父さんは………」
俺がそう問題を定義した途端、三人は気付いたようにハッと目を見開いた……。
おい……まさか考えてないとは思わなかったぞ………。
その後、四人の間で議論が交わされた結果。
雪詩奈が来てから本人に決めさせる事となった……。
翌日の朝。
俺達は……と言っても、アリスを除く雛と紗雪の三人だが……は、雪詩奈を迎える為に校門で待っていた。
すると、雛が道の向こうにある区画プレートの壁を見ながら話し掛けてきた。
「紅蓮」
「なんだ」
「雪詩奈と言う子は、一体何なんだい?いきなり来る事になったようだけれど……」
「……義父さんが言うには、上からの超法規的措置だそうだ……急に来たから義父さんも大変だったらしい………そのせいで、俺の家に居候させることになった……」
「大変だね……」
「ああ、大変だ……」
そう言って深く溜め息を吐いていると、道の向こうから人影がこっちに走って来るのが見えた。
雛も見えたらしく、壁に寄りかかった体を、壁から離した。
「あれか……?」
「違うわ」
俺が目を凝らしてその人影を見ていると、紗雪が呆れた顔をしながら言い放った。
ある程度近くなって、その人影がアリスであることに気づく。
「なんだ……アリスか………」
「ごめ-ん♪」
アリスが手を振りながらこっちに駆けてくる。
何してんだアイツは……
そう思って呆れていると、突き当たりの方からアリスと同じ方に走って来ている、蒼零高校の制服を着た女の子がいた。
俺はハッとなって、大声でアリスに制止をかける。
「アリス、止まれ!ぶつかる…」
言うも既に遅し、二人はお互いの頭を衝突させ、勢いでその場に倒れ込んだ。
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