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「おらぁッ!!
出た,記録更新ッ!!
なぁなぁ,俺ヤバくねぇーかッ!?」
「仁ッ,お前のパンチやべぇよッ!!」
ゲームセンターにある,パンチ力を計るゲームの前で盛り上がる金髪頭の二人の青年。
「……じーん,りょーう,お前ら少しうっさい。
いま大事なとこなんだから気を散らせんなよ。
あっ,おい何やられてんだよ隼人ッ。」
「あちゃー!
悪りぃ,後任せたわッ。
今日こそは100円全クリで!」
「っしゃあ!
今日こそは絶対100円で全クリしてやるぜッ!」
派手に目立つ赤髪の聖夜と,濃い茶髪の隼人はパンチゲームをしてる二人と背中合わせに二人でガンを使ったシューティングゲーム。
「……がはッ!?」
「……うっぷッ!!」
そんな聖夜の耳に,突然に仁と亮の二人の変な声が聞こえる。
「…ん?急に静かになってどしたお前らぁー?」
聖夜はゲーム画面から目を離さずに後方に声を投げる。
「……あちゃー,また絡まれたみたいだわ俺たち。
仁と亮は,いきなり後ろから殴られたみたいで気失ってるっぽいわ。
あっ,今日の相手はゴツ男二人な。」
「あっ,マジでか?
悪いけど,後もうちょいだから隼人お前何とか時間稼いどいてッ。」
「………ぐはッ!!」
しかし,今度は隼人のヤられたような声が聞こえる。
「……ちっ,時間稼げって言ったのによぉ。
あともう少しなんだってのッ。
そこにいるらしいゴツ男?
悪りぃけど,いまマジ大事なとこだからちょっとそこで待っとけ。
これ全クリしたらすぐに相手してやっからよッ。」
「あッ!?ナメてんのかテメェ!!」
もちろん待ってくれるワケがなく,聖夜は胸ぐらを掴まれて無理やり振り向かされる。
ジャーンーーーーーー
聖夜が手を放させられた瞬間に,ゲーム画面に『GAMEOVER』の大きな文字が表示される。
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