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すっかり陽も落ちた夕暮れ。
ボクシングジムを出た聖夜は,帰り道の途中の河原で夕焼けを眺めながらある事を思い出していた。
「………公式戦…か。
試合に出るようになるって事は,プロボクサーになるっていう俺の夢に少し近付くって事だよな?………プロボクサーかぁ。」
聖夜がプロボクサーを目指す理由ーーーーー
それは,小さい頃に柚月とかわしたある約束がキッカケだった。
《聖夜の回想》
砂場で遊ぶ小さな男の子と女の子。
「ねぇねぇ,せーやはおっきくなったら何になるの~?」
「んーとねぇ~……おれはおっきくなったらボクシングやる人になる~!
つよくなるんだぁ~!!
ゆづきはぁ~?」
「えーとねぇ………じゃあ,あたしはかんごふしゃんになってせーやがボクシングでまけた時にゆづきがなおしてあげるッ!!」
「えーッ!!
おれはまけたりしないもんッ!」
「いいのッ!
ゆづきがなおしてあげるの~!」
「じゃあ,おれはボクシングやるひとになって、ゆづきはかんごふさんになるッ。
やくそくなッ!!」
「うんッ!
やくしょくッ!!」
「「ゆびきりげんまん,うそついたらはりせんぼんのーますッ!ゆびきったッ!!」」
砂場でかわされた二人だけの約束。
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