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「よし、後は…」
二人の静止を確認した男は衣服を整え、ゆっくりと馬車の荷台後方へ向かった。
ガタンッ_!
馬車の荷台の鍵を壊し中を確認する。すると薄暗い荷台の中には何人かの若い女が、衰退しきった様子で踞っていた。
(人売りか…マーレンも堕ちたな)
「あーえっと」
「っ!!」 ビクッ_!!
フード男が喋り出すと途端に女達が怯えだす。しかしそんなことは気にもせず、慣れたように口元で笑みを浮かべながら男は続ける。
「そんなに怖がらないで大丈夫ですよ、どちらかと言えば今僕はいい人間です」
落ち着いた様子でそう話し、そして静まったのを確認すると本題に入る。
「この中でローズさんと言う方は居ますか?」
そう手を挙げ尋ねた。
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