106人が本棚に入れています
本棚に追加
妊娠が分かってすぐの頃
神崎に強く説得され、母に報告の電話をした。
あたしの稼がなくてはいけない目的のもう一つは
【母親を養う事。】
弟が高校を卒業したら
両親は離婚すると
もう何年も前から決まっている。
母には憎しみしかなかったけれど
実の親を見捨てる事は出来ないので…
その為にもお金が必要だった。
神崎はその事も理解してくれて
籍を入れた。
『あのさ…
あたし…赤ちゃんできたんだ。』
母に連絡するのはあまり気が向かなかった。
子供も愛せない人が孫なんて興味ないだろうし
母の反応なんて
全く期待してなかった。
でも、自分の口から
【赤ちゃん】
この言葉を
母に発する事に感極まったのか
あたしの瞳から自然と涙が溢れていた。
最初のコメントを投稿しよう!