解放

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町工場では1年半働いた。    親に生活費を毎月5万渡していたけれど 目標があった為 半年で 家を出て生活していくのに十分なお金を貯めることができた。    すぐに不動産屋で安いアパートを探し 書類をもらい 母にサインを頼んだ。   『絶対家賃滞納するんじゃないよ。 こっちに迷惑かかるからね。  じゃあ、手間賃5千円ね。』    手のひらを突き出して母は言った。 滞納なんてするもんか 出て行ったらお前らとは 一生関わらない!   節約していたあたしに 5千円は大きかったけど 母の気が変わらないようにすぐに渡した。   でも その夜帰ってきた父親に母が話した為 あっけなく阻止されてしまった。     『家を出る時に 親のサインなんかもらうんじゃねぇよ。   あと出て行く時は 月に5万仕送りしろよ。 女なんだから何とかなるだろ? ははは―』
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