闘い

13/20
前へ
/119ページ
次へ
神崎はあたしより7つ年上で 毎回友人と2人で週3位のペースで飲みに来た。   あたしを指名してからも 他の客と違って接近してこないし 店外デートも口にしない、ケチな飲み方はしない。 最高に楽な客だった。     神崎の相方は熊野。   明るくて言葉に少し方言がある 飾らないタイプのリオを指名した。 リオはあたしとも同い年だし気さくな性格なので この4人のテーブルはいつも和やかな雰囲気だった。   そんなリオも2人が帰ると 決まって熊野の文句を言ってくる。   リオの愚痴は決まってこうだ。 『アイツ…ずっと脚とか腰とか触ってくるし 外で会おうとかキモい!最悪~。   それに比べて神崎は紳士的でイイよね! 指名交換して欲しいよ~~』    『あはは。大変だね あたしは熊野でもいいよ~ ぽっちゃりのおっさんの相手慣れてるし。』 あたしはいつもそう笑って答えた。 …本当は、どうでもいい。 『客も男も一切興味ないし、お金さえ払ってくれるなら誰でもいい。』 が本心だ。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加