温もり

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店が終わる時間になると 決まって神崎から 【お疲れ様メール】が届いた。   …マメな奴。     あたしは力が入らない手で 無意識に電話をかけた。     ロレツがまわらない声に神崎はすぐに察して言った。   『…お前酒飲んだだろ 運転するなよ?』   『だいじょぶ~~ ねてかえるから~~~』   『は?どこで。』   『くるまで~。』   『そんな所で寝たら危ないだろ…!』   … ……    その後何を喋っただろう。   いつの間にか電話は切れ 寝ているのか起きているのか あたしの目はウツロになっていた。       ーーどの位経っただろうか。 目の前が急に眩しいものに照らされた。   目を細めて見ると大きな車がある… そして、人影がこっちへ歩いてくるようだ。   トントン…   いきなり運転席の窓を叩かれてビクッとした。   え…何?警察…?   ぼんやりした頭で 少しだけ窓を開けると       そこには神崎が立っていた。
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