106人が本棚に入れています
本棚に追加
『…久しぶり。』
とうとうアパートに神崎を入れてしまった。
内心穏やかでは無い。
うまく愛想笑い出来てるだろうか。
『シホ元気そうじゃん。』
神崎はホッとしたように優しく微笑んだ。
部屋に入れるまでは
最悪なストーカーだと思ったけれど
久しぶりに人と話すのが新鮮で
意外に苦ではなかった。
『まあね。』
10分ほど、お互い他愛もない話をした。
神崎はケーキを買ってきてくれたけれど
早く帰って欲しくて
お茶も出さずにあたしはだるそうに毛布に包まった。
『あのさ…』
神崎が突然真剣な顔で言った――
最初のコメントを投稿しよう!