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幾雫を飲み干した薔薇は
真っ赤な赤に染まるでしょう
甘やかな蜜と黄昏る華の薫に
誘われ鳥達は赤を迎える
蔓を絡ませ花弁を幾枚も滲ませ
鮮血の薔薇誕生しませう
血を飲み干し赤く紅く
妖しげに薔薇は咲くのでしょう
幾雫も吸い尽くした薔薇は
戦慄の血を滴せるでしょう
白濁の嗚咽に化した亡骸を
土深くに埋め蜜の糧とせん
呪縛の花弁を闇夜に舞いらせ
獄の儀式の贄の元へ
血を吸い付くし赤く紅く
孤独な薔薇は咲くのでしょう
いつか血を絶え絶えに貪り尽くし
薔薇を終焉を迎え朽ちてゆくの
赤に染まり 黒に棲みし
消えゆく私の華燈よ―
血の鎖は錆びて契れ
楔を打つ夜は時を迎え
私は血と亡骸の惆蝶に
誅戮の罪の運命を受け入れる…
一夜の狂喜は無残にも
心に深い傷を抉るの――…
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