月曜日

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  『んじゃ、俺もう行くけど、本当に家は平気なのか?』 靴を選びながら、亮は私を振り返る。 『うん。平気。ちゃんと言ってあるから…。』 私は二足持った彼の靴の片方を指差しながら答えた。 『そっか。分かった。じゃあ、あんまり遅くならない様にするけど、遅かったら先に寝とけな。』 亮は、私が指した靴を履くと微笑んだ。 『うん。分かった。行ってらっしゃい。気を付けてね。』 『おう。行ってきます!』 私は亮にキスをする。 軽く抱き締めるお互いの腕が気持ちいい…。 ドアを閉めると、亮が駆け下りる階段の音がリズム良く聞こえてきた。 私は細い通路の壁に凭れ天井を見上げると、そっと溜息にも似た息を吐き出す。 ズルズルと壁を背に擦り付け座り込む。 今までにない緊張と喜び…複雑な想いが交差する。 (一週間…。) 壁にギュッと後頭部を押しつけ首を反らす。 (どうしたらいいんだろう…。何も分からない。) ただ、もう一度あの日をやり直せるかもしれない。 その想いで一杯だった。 (でも、先ずは掃除や洗濯をしよう…) 昨日から何もしてない部屋を眺める。 (よし!考えるのはそれから。) 私は、スクリと立ち上がり、洗濯物をまとめて洗濯機へ放り込んだ。 何と言っても、中身は主婦を数年やってた私だもの…家事は当時の私より出来るはずだ。 (きっと亮、驚くよ。) そう思うと今まで家で溜息混じりでやっていた掃除や洗濯までもが楽しくなっていた。
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