月曜日

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  風呂に湯を入れてゆったりと入る。 亮はまだパソコンに向かっていた。 自分のデザインが冊子の表紙になるかもしれないチャンスだった。 小さい仕事かもしれないが、彼が認められるきっかけになるはずの仕事。 当時の私も応援する気持ちはあった…ただ、会えない不満をぶつけ追い込んだ。 私は、分かっていなかった。 今の私なら分かる。 でも、あの時の私は焦っていた。仕事をして先に進む彼と、まだ学生だった自分との距離や甘えに…。 こんなにも簡単な事が分からず我慢出来なかった… 情けなくて恥ずかしくて、私はバスタブにブクブクと頭まで沈んだ。 熱い湯に頭まで浸かり、呼吸を停止する。耳が周りの音を歪んで伝える。 私にやり直す権利なんてあるのかな? ふとよぎる心の疑問。 私は息が続くまで潜り続けた。 浅いバスタブから浮上すると、覗き込む亮がいた。 『何やってんの?』 亮は笑っていた。 『俺も入るからスペース空けて。』 『お湯溢れちゃうよ?』 『いいよ。一緒に入りたい。』 私はちょこんと端に寄った。 亮は、そっと熱い湯に体を浸すと、正面の私のビショビショに濡れた髪を耳にかけ、顔を撫でてくれた。 私も亮の顔に触れようと湯から手を出し顔に向かって手を伸ばした。 『どうした?これ。』 亮が驚いて私の左腕を引く。私の腕には大きく赤黒い痣が出来ていた。 『なんだろ?わかんない。掃除してぶつけたのかな?』 腕を眺めたが記憶にない。 『気を付けろよ。』 そう言うと亮は私の痣に優しく唇を付け、私の頭をグシャリと撫でた。
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