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目が覚めた…。
横を向いて眠っていた私のぼやけた視界に最初に見えたのは…
真っ白いただの壁だった。
ゆっくりと首を捻り上に向けると、低い天井が見えた。壁と同じ素材の真っ白な天井…
(見覚えがある景色だ…。)
そう思ったが、眠りと眠りの間に見る夢だと思い、微睡みながら布団をそっと肩まで引き上げる。
(気持ちがいい…)
私はそっと思った。
それはとても気持ちが良く…浮いた様な感覚に私を優しく包む。
私は、少し嬉しい気持ちに胸を浸した。
こんなにハッキリとあの天井の高さを覚えている自分の記憶に少し驚きもしたが…軽く押される様に低いロフトの天井をもう一度見る事が出来た喜びの方が大きい。
私は、この部屋がとても好きだった。
本当に、本当に好きだった。
天窓から入る光が降り掛かる。
私は、ゆっくりと息をして沈む様に吸い込まれる様に…また静かな眠りに落ちる。
また私は、眠っていたんだ。
どれくらい眠っていたのだろう。
ゆっくりと柔らかく揺する肩に触れた手の感覚に眠りが破られ、触れた手が私を現実へと導いて行く。
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