日曜日

6/11
前へ
/110ページ
次へ
  意識のあるまま亮と寝た。 裸で寝ていたのだから、きっと昨日もそうしていたんだろうと思ったが、意識ある中でするのとは違う。 でも、もっと抵抗があると思っていたのに… 私は、彼を覚えていた。 体は自然に動き、彼を受け入れた。 私が零す名前も彼の名前で、彼が私を呼ぶ声にも自然と心が震えた。 そう、何度も何度も名前を呼んでくれるこの人は… 私を本当に愛していると思っていた。 私も、彼以外いらないと思う程愛していた。 私達は呆れる程体を重ねた。 時間を忘れて何度も重ねた体に疲れ、亮は私の横で眠っている。 私は、不思議な気持ちで亮をただ見つめていた。 コンプレックスだと言う癖のある赤茶色の髪。 初めて肌を見せた時に見せてくれた、肩にある大きな痣。 短く不器用そうに見える短い指は、人の倍練習をした事で、人の倍器用に動く。 私に何度も口付ける少し腫れたような唇。 あの時のままの彼が眠っている。 私は、意識が冴え痺れた体のまま眠れずに、光りが指すカレンダーを見つめた。 (今日は何日なんだろう…) 私は、ぼんやりと考える。 (何故ここで今更彼と寝たんだろう…) 私は、彼の胸に滑り込む。 ここは居心地がいい。私は、彼と寝ると体の半分を補った様な気持ちになれた。 足を絡ませ、体を添わせ眠る。ピースの半分を嵌めたようにピッタリな体。 私は、この場所を失って心壊れたのだから。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加