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若く、映画好きな二人はどこか憧れていた事もあり、映画で見たシーンを真似るようによくシャワーを出したまま抱き合ったりした。
滑り込んで来た亮は、何時もの様にそうした。
私は、亮の体を流す様に手を滑らせ肩を撫でる。
亮も私の体に手を滑らす。
擽ったさに体をくねらせ笑う私に何度もキスをする亮が愛しかった。
私は、バスタブの縁に座らせた亮の髪を洗いながら聞いた。
『ねぇ、亮ぃ。今日は何日?』
『はぁ?何だよ。17日だよ。今日はどうしたんだよ。』
亮はケラケラと笑った。
私の彼の髪を洗う指がピタリと止まる…
『17日?』
『そうだよ。それがどうした?誕生日でも記念日でもないよ。』
亮は私の腰に手を回し、早く洗う様にせがむ。
私は、ゆっくりと指を動かしまた髪を洗い始めた。
『そう…17日…』
私は、ポツリと繰り返した。
私の小さな声は髪を流すシャワーの音にかき消された。
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