始まりの音…。

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. あの日からだんだんと遼平はみんなとサッカーをしなくなっていった…。 たまに体育授業などで球技をした時があったが、遼平にパスが回ってくることはなかった。 遼平は友達とするサッカーから完全に孤立してしまう。 帰り道優太と海岸を歩いていた。 「遼ちゃん。最近みんなとサッカーしてないね?」 あまり運動の得意でない優太は、詳しく理由を知らない。 『…うん。』 「なんでなの?」 『パスしないから嫌なんだって。』 「えー。だって遼ちゃんすっごい上手なのに。」 『俺、上手かなぁ?』 「うん!だって僕、遼ちゃんからボールいっつもとれないもん。きっとみんな遼ちゃんについていけないただけだって!」 『そうかなぁ~。』 「なんで遼ちゃんはみんなにパスしないの?」 『だってパスしてもすぐ取られちゃうし、パスされてもあんなのパスじゃないよ…。』 最初はパスをしらなかった遼平も回数を重ねるにつれて何度かパスをした事もあった。だが言うようにパスしても取られ、パスを待っていてもちゃんと足下にボールがくる事はないので、次第に遼平はパスをする事も待つ事もしなくなったのだ。 所詮小学生低学年のレベルなので当たり前だが、遼平はすでにそのレベルは越えていた。そのギャップがこのようになった本当の理由だろう。 あと一つ付け加えるなら遼平は相当な負けず嫌いだった…。
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