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am7:30。
『遼平!起きなさい!いつまで寝てんの!!』
一階から大きな叫び声と共に1日24時間の中で最も忙しい時間帯が始まる。
特にこの日は母親の清美も支度に化粧にと手を取られていた。
『遼平!遼平っ!起きてるっ…?
奈美!遼平起こしてきて!』
清美も時間に追われている為、3歳上の姉にお構いなく頼む。
(もう…。私だって急いでるのに!)
ブツブツと一人つぶやきながら遼平の部屋の扉を思いっ切り開く。
『コラ!遼平!早く起きろぉ!』
「うーん…。もうちょっと…。」
と、言いながら布団に潜り込む。
グズって起きない弟を力一杯布団から引っ張り出す。
ようやく観念したのか、目をこすり大きなあくびとともにまだ焦点が定まってない目で奈美を見る。
「ふぅわぁ~…。お姉ちゃん?おはよ…」
まだ夢見心地の遼平の顔面に枕が叩き込まれる。
『起きろぉ!』
誰しも朝は苛立ちが増える。
「…わかったよ…。」
奈美は起きたのを確認すると慌てて一階のリビングに降りて行った。
遼平も後を追う様に一撃を受けた顔をさすりながら一階の洗面所に向かう。
歯を磨き顔を洗っている中、しっかりと化粧をして華やかな洋服に着替えた清美が入って来た。
『遼平!早く用意しなさい!初日から遅刻するわよ!』
そう、今日は遼平の入学式。
矢沢遼平。今日からピカピカの小学校一年生。
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