始まりの音…。

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ピンーポーン! 家のチャイムを押すと同時に勢い良く玄関を開ける。 『優太ぁー!行くぞぉー!』 意気揚々とした遼平の声が小幡家に響く。 「あらっ?遼ちゃん。もう来たの?」 優太のお母さんがリビングから笑顔を出して声をかける。 『うん!優太は?』 「まだ部屋にいるわよ。さぁ、上がって。」 『おっじゃまっしまーす。』 脇にボールを抱えながらドカドカと階段を上がり優太の部屋の扉を開ける。 『優太!行こー。…。』 「あっ、遼ちゃん、ちょっとまってて。今、中ボス倒してるところだから。」 優太はゲームに夢中だった…。 『おい!またゲーム?』 呆れた顔の遼平に対し 「ボス倒したら行くから!」 …と、TVから目を離さず答える優太。 『もういいよ。一人でするから。』 「終わったら行くね~。」 この優太の言葉に返事を返さず、寂しげな顔をしつつ部屋を出た。 (ちぇっ…。なんだよ。いっつもゲームばっか…。) 心の中でそう呟き、開いた玄関からは気持ちとは裏腹に陽気な日差しが入り込んできた。 pm2:00 雲一つない澄みきった青空…。 結局、遼平はこの日一人でずっとボールを蹴っていた。
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