キックオフ。

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「クソっー!」 佐藤は手で頭を抱え天を仰ぐ…。 他の柴谷イレブンも驚きを隠せないでいた。 (あいつ…、俺が佐藤にパスする前から走っていたのか…? って言うか、逆サイドに居たはずじゃ…。 チッ!わかってたって事か…。) 林は舌打ちをし、隆志を睨んだ。 隆志のファインプレーで難を逃れた笠山イレブンは、にわかに活気づく…。 「ナイスプレー!隆志!」 『ふぅ…。サンキユ、助かった。』 キーパーの川田が隆志の肩を叩き声をかけた。 『おーい!みんな、ポジション関係なくいつも通りやれば良いから!』 まず隆志は大声でみんなに呼び掛ける。 『おい、川田。今のは反応遅いよ。迷わず行っちゃえって!』 隆志は川田にしか聞こえない位の小さい声で話す。 柴谷中からのスローイン (まだ、チャンスはある!!) 林は隆志にクリアされたものの、手応えを感じていた。 サイドから攻める柴谷。 そのまま、中にセンタリングを上げるが、吉田がヘッドでクリアしたが、クリアボールを林が拾う。 (よしっ!こっからだ) 林は隆志の位置を確認すると、ドリブルを開始した。 しかし…、ゴール前 笠山のディフェンスに囲まれ始める。 (まだ、まだだ…。) 林は囲まれながらもボールをキープする。 そして…、 強引に前に斬り込んで行く… しびれが切れた笠山のディフェンダーが林を止めに前に出た…。
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