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隆志は、馴れない連携で戸惑うディフェンス陣に声をかけていく。
『井田。どんまい気にすんな。いつも通りだって!なっ…?』
裏をとられたのが余程堪えたのか、井田は下を向きながら応える。
「すまん…。なんかパニクっちゃって。でも、バックしかやった事ねーのに、いきなりボランチなんてほんと意味分かんねーよ。」
『意味なんて関係ねーよ!サッカーはサッカーだろ?井田!いつもみたいにお前に出来る事すりゃぁ良いんだって!』
「俺に出来る事…?」
『そうだ!お前の役目ってなんだ?』
「俺は、ディフェンスで相手の攻撃を防ぐ…。」
『だろ?相手がボールを持って自分の前に来たら止める!どこのポジションでも一緒だよ。』
「…。」
『なっ?だから気楽にいつも通りだって!それに、後ろには今回バックがいるんだ!安心して迷わず前に出て止めにいけって!さっきのは迷ってタイミングがズレただけだから!』
「…おう!なんかわかんねえけどやってやるよ!」
井田は、不安と戸惑いが少し薄れていくのがわかった…。
『よし!そうこなくっちゃ!頼んだぜ!』
隆志は井田の肩を叩きそう言った。
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