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「クソっ!なんなんだ?全くボールに触れない。」
柴谷中の林は少し苛立ちを感じ始めた。
他のメンバーも同じ思いを感じていた。
(なるほど…ね。夏目のやつ狙い通りじゃん。)
遠山はそう考えると少しばかり笑みがこぼれ、先程のハーフタイムに隆志と話した事を思い出していた。
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ハーフタイム中
『とおやん!あのさ、前言ってたフォーメーション後半やってみよーぜ!』
前半終了の笛が鳴るとほぼ同時に隆志は遠山にかけよってそう話した。
「フォーメーションって…、3-6-1か!?」
遠山は汗を拭い、少し驚いて聞き返す。
『あー!そうだよ。遼平がいる今がもってこいだよ。』
「矢沢か…。大丈夫か、あいつ?いきなり言って。」
『あいつなら、きっと大丈夫だよ。気付きさえしてくれれば。』
「そこが問題だろ?なら勝って明日の練習でちゃんと説明してからでもいいんじゃね?」
『ダメだよ。それでは時間がかかりすぎる。試合中だからこそ気付くんだって!それに他のみんなもだ。』
二人は他のメンバーと少し離れた位置に座り込んだ。
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