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小学校にもだいぶ慣れ、友達も出来始めた。
そんな昼休み、遼平と優太は校庭でクラスメートとサッカーをする事になった。
コーンをゴールに見立ててフットサルと同じく5対5に分かれる。
これが遼平にとって初めて二人以上でするサッカーとなった。
『遼平くん、すげぇ!』
「おい、あいつを止めろ!」
相手チームが声をあげ遼平を止めようとする。
が、誰も遼平のドリブルを止められない。
それもそのはず。ほぼ毎日デコボコした足場の悪い砂浜でボールを扱っていた遼平にとって校庭でのドリブルはまさに足にくっ付いているような感じだった。
そして、全員を抜き去り…
遼平はそのままゴールを決めた。
この時、日本サッカー界にとって小さな芽が姿を表した瞬間でもあった…。
『すげぇ~!』
誰もが驚いた。
この後も遼平はボールを取られることなくゴールを積み上げていった。
満面の笑みを浮かべる遼平。
『どうだ!俺すごいだろ?』
すぐ調子に乗る遼平。
だが…、最初は喜んでくれていた味方チームもだんだん顔をしかめるようになっていった…。
ずっと一人でボールを蹴っていた遼平は、パスを知らなかったのだ。
ボールをもったらパスを出さずあげくには味方がもっているボールまで取り上げる始末。
もちろん遼平は悪いとはこれっぽっちも思っていなかった。
遼平にとってはこれがサッカーだったのだ。
数ヶ月がたち…。それでも昼休みになると良くみんなでサッカーをしていた。
遼平はちょっと有名になっていた
サッカーが上手い奴がいるって噂もまわり、時には20人程でサッカーをする時もあった。
が…、やはりワガママな遼平のプレーに嫌気が出てきたのか徐々に一緒にサッカーをする友達がいなくなってきた。
日は巡り、二年生になったある秋晴れの日ついに恐れていた事が…。
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