眠れるピッチのエース。

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遼平は考えた。 先輩達のパスワークの意味を。 (隆志くんの事だ。絶対なんかあるんだ!考えろ。) そして、みんながいつもとは違うポジショニングをしている事に気付く。 (あれ?やっぱ変だ!みんないつもよりわざと引き気味でプレーしている。何か意味あるのかな?) 疑問に思い注意深く見ているといつの間にか最終ラインを超えてしまっていた。 (やべっ!完全にオフサイドだよ。) 慌てて柴谷DFの最終ラインまで戻る。 (せっかくみんな良いリズムで回してるのにこんなヘマしたら遠山さんにぶっ飛ばされちまう。あの人こえーし…。) 最終ラインを動きまわっている中、遼平はふと違和感を感じた。 (あれ?なんだろ?柴谷の奴らすげぇー上がってる気がする…。もしかして…!) 隆志達の細かいパスワークに痺れを切らして来たのか、柴谷のDF達はボールを取りに行こうと必死になってるうちにいつの間にか前へと引き出されていた…。 これが、隆志が描いたビジョンの序章であった。 .
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