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彼が好きなオムライスを作り 彼が好きな歌を聴きながら待つ
一時間くらいした頃 彼はやってきた
クリスマスにあげたマフラーをして冷え切った手に息をかけながら…
「遅くなってすまん また 雪が降って来たよ」と微笑んでくれた
いつもの笑顔にホッとして涙が流れる
涙を隠すように彼に抱き着いた
「どうしたんだよ…久しぶりに会えたのに…泣くなって…」
「久しぶりだからだよ…ずっと ずっと…我慢してたの 会いたいって…でも 仕事が忙しいから我慢して…会いたいなんて言えなくて…」
「馬鹿だな…会いたいって言えよ…会いたいなら…会いたいって…」
彼は優しく私を抱きしめてくれた
終わってしまうなんて考えてたことが馬鹿らしくて彼の胸に顔を埋めながら微笑んだ
彼はテーブルに置かれたオムライスに気付き…
「あ…オムライス!腹減った~」
「温めなおすね」
「あ、いいよ このままで うまそ~いただきま~す」
彼は冷めたオムライスを美味しそうに食べる
そんな彼を見つめながら幸せを感じた
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