消しゴムくんあらわる

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「聞いてるの?」 下から声がする、 「なんでしょう?」 「なんでしょう、じゃないでしょ、どいてって言ってるの」 「どけって言われても、自分じゃ動けないし」 これはチャンスだ、 消しゴムの神が自分にチャンスをくれたのだ、 逃してなるものか 「そそ、そんなことより、少し話ししない?」 頑張って、話しかけたつもりだったが、 「キモイ」 あっさり、蹴散らされた、 「なんで私が、あなたみたいな、半分くらいすり減ってて、所々欠けてて、全体的に汚いやつと話ししなきゃいけないのよ」 ビックリした 僕の妄想の赤エンピツちゃんからはかけはなれていたのだ、 僕の赤エンピツちゃんは、笑顔が可愛くて、性格もおとなしい、失敗したら「テへ」って言っちゃう、天然どじっ子だと思ってたのに、 この子はどうだ、もし失敗したら「クソ野郎、やってられるか」といいながら、回りの物につばを飛ばしかねない、 僕がじっと見ているのに、気づいたのか、 「見ないでくれる、きもちわるい」 と言い、向こうをむいてしまった、 僕は何日か前の、あの出来事を引きずりながら、生きていた、
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