あの頃に戻れたら

フルートの貴公子

「身動き出来ない…どうしよう？…って思ったら、しばらく様子見しとくしか無いんじゃない？」

「そっか…そだよね。今は何も出来ないんだし、ｼﾞﾀﾊﾞﾀしても意味無いよね」

私がため息を付きながらそう言うと、恵と同じ小学校だった唯が近付いて来た。

「2人して何真剣な顔して話し込んでんの？私も混ぜてよ」

「うん…ちょっと恋バナだよ。切ない恋の話」

恵は私に気を使って、歯切れの悪い受け答えをした。