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彼女は拓也の名札にチラッと目を向けた。
「桐野…君?よろしくね。いつも図書室にいるの?」
拓也はまだ彼女の顔に魅入ってボーっとしていた。
「桐野君?」
「あ、ごめん!うん、しょっちゅういるよ!えーっと…」
「あ、私は真希、山村真希。」
彼女はニッコリ笑って自己紹介した。
可愛い……
拓也は自分の心の声が聞こえない事を願った。
「山村さん……か、僕は桐野拓也。あの…えーっと……」
「良かったら図書室でまた話し掛けてもいいかな?」
女の子はキョトンとした顔をしていたがまた笑顔で
「うん。拓也君ね。話し掛けていいかなんて聞かれたの初めて。拓也君って変な事気にするね。」
「はは…。そうだよね。じゃあよろしくね、山村さん。」
拓也はその日、帰り道も家に着いてからもニヤニヤしていた。
今までこんなにも学校が楽しいと感じた事はない。
四六時中真希の事だけを考えていた。
「あ~早く明日にならないかなぁー」
拓也は自分の口から出た言葉にびっくりしたが早くもう一度会いたい気持ちが強すぎて他に何も考えれなかった。
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