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プルルルルル…
ケータイに着信。
高城隼人(タカギハヤト)からだ。
「もしもし」
「よう裕介。ちとやばそうな情報が入った。全員そっちに帰る」
「ああ。わかった」
ピッ…
電話を切った。
ここはアジトの司令室。
千羽鶴現リーダー、近藤裕介(コンドウユウスケ)は部屋を出て、廊下を歩く。
隼人の掴んだ情報、それは俺が待ち望んだモノかもしれない。
俺は扉をノックした。
「入っていいか?」
「裕介?いいよ」
ガチャ
「おはよ♪」
俺は岡田和幸(オカダカズユキ)の部屋に入った。
「日本にいる隼人が春風全員連れて帰ってくるらしい。今回は大事になりそうだ。覚悟しとけ」
春風は千羽鶴の下についた。
隼人にはその春風の指揮を任せておいたのだ。
「うん。それよりお腹すいたよ…。ご飯食べにいかない?」
「いや、隼人達が帰ってきてから行く。後1時間くらいだろう。なんなら先に行っててもいい」
「行かない。裕介はどこに行くの?」
「娯楽室だ。ニュースが気になる」
「じゃ、着いてく!」
俺は見た目の割に子供のような和幸を見て、口元を緩めた。
そして、和幸の部屋を出て少し歩く。
俺はテレビがある娯楽室に入った。
この時間は皆、食堂にいるので娯楽室には誰もいなかった。
俺はテレビを付けた。
ちなみにこのテレビは、ある食品会社の汚職社長さんの家からこっそりと頂いてきた物なので、かなり大きい。
日本のニュースがながれていた。
未成年者の犯罪数の移り変わりの特集だ。
10年前、ほぼ直角に落ちていたが、年がたつにつれて増加の割合が増えていた。
俺はチャンネルを変えた。
『-議院を通過しました。来週には可決される模様。次は天気です。お天気の-』
10年前と同じだ。ニュースの後には天気。
それより…何が議院を通過したんだ?
隼人が掴んだ情報か?
タイミングがずれたので聞き取れなかった。
鼓動が早くなる。
隼人……急いでくれ……。
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