162人が本棚に入れています
本棚に追加
穏やかな朝
静かな住宅街の道には通学途中の学生、会社へと出勤中のサラリーマンの姿が見られ
公園には散歩の途中の休憩なのか、ベンチに座ったお爺さんが
お爺さん『静かな朝じゃの~』
そう呟き、持っていた水筒のお茶をコップに入れ啜る
その時
『セツナ~!!起きなさ~い!!!』
お爺さん『ブウゥ~!!?』
突然辺りに響いた怒声に驚きお爺さんの口からお茶が吹き出す
だが、学生もサラリーマンもむせるお爺さんには気付かない
一方、怒声の出所である公園の前に建っている家の中では、一人の少年が目を覚ました
セツナ『....眠っ...学校ダルッ...寝よ』
そう呟くともう一度布団に入る少年ことセツナ
だが、そんなセツナの願いを打ち砕く存在が
それは
『セツナァァァ!!いい加減に起きなさぁぁい!!!』
セツナの部屋に雄叫びを上げながら現れたモンスター、通称・セツナの母は布団を掴むとセツナから引きはがす
セツナ『う~~....なんなんだよ。母さん』
母『何じゃない!!遅刻するわよ!!』
そう言いながら目覚まし時計をセツナに見せる母
時刻は8:10
セツナ『.....』
セツナは目の前にある時計を無言で眺める
学校が始まるのは8:30
セツナの家から学校までは速くても20分は掛かる
セツナ(うわ、遅刻決定じゃんか)
そう思い、今日は学校をサボるというふうに、セツナの脳内は結論付けた
だが
母『今日遅刻したら、来月お小遣抜きね♪』
セツナ『行ってきます!!』
母の魔法(?)の一言に、セツナは一瞬の内に服を着替え家を飛び出す
母『....まったく、誰に似たのかしら?』
息子が走って行く姿を部屋の中から眺めながら呟く母
この時、既に運命は動き始めていた
だが、セツナも、母親も、誰も気付かない
.
最初のコメントを投稿しよう!