花火(京関)

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何かと思い目を向けると、其処に居たのは鳥口守彦というカストリ雑誌の記者に、榎木津の志願下僕の益田龍一。 そして、仏頂面で腕を組む中禅寺――京極堂である。 確かに。鳥と犬と鬼、榎関木津が言うそれに納得してしまった。 さしずめ桃太郎は榎木津か。やはり私は猿なのだろうか。 「うへえ、関口センセイ遅いっすよぅ。僕なんか視線に刺し殺される所でした」 「そうですよ。僕ぁ人を引き止める為にここまで気を使ったのは今日初めてです」 私を見ると、鳥と犬・・・いや、鳥口と益田が口々に言い寄ってきた。 「わはは何泣いてるんだ変態どもめ!あ、さては鬼に苛められたな!!」 よく見ると、二人ともげっそりとした表情だ。益田などは目に涙まで浮かべている。 一体どうしたというのか。
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