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波の音が聞こえる・・・・
あたりはまだ薄暗い・・・明け方
ここかな・・・・レンが言っていた場所は・・・・
町外れの小さな港・・・あまり手が加えられていなく、もう港として機能していない・・・
リ「・・・・レン」
数年前に私の代わりに処刑された私の姉弟・・・・
愚かなのは私・・・・
周りのことを考えずただ私の意志を無理やり押し通していただけ
全てが私の望むがまま
全てが私の手に入る
そんな世界に私は溺れていった
――――――――――――
むかしむかしあるところに
悪逆非道の王国の
頂点に君臨するは
齢十四の王女様
絢爛豪華な調度品
顔のよく似た召使
愛馬の名前はジョセフィーヌ
全てが全て彼女のもの
お金が足りなくなったなら
愚民どもから搾りとれ
私に逆らう者たちは
粛清してしまえ
「さあ、ひざまずきなさい!」
悪の華 可憐に咲く
鮮やかな彩りで
周りの哀れな雑草は
嗚呼 養分となり朽ちていく
――――――――――――
そんな・・・・・愚かな私にレンは教えてくれた
レ「ねえ、知ってる?リン」
リ「なにが?」
ある日のお茶の時間だった
レンはどこか懐かしそうに、そして寂しそうに話した
レ「ある町外れの小さな港で、羊皮紙に願いを書いてそれを小瓶に入れて流すんだ」
リ「そんなことして何があるの?」
レ「そうしたらね、いつか思いが実るんだってさ」
リ「ふーん・・・別に私は願うことなんてないわ。全て手に入るんだから」
レ「それもそうだね」
その時レンは苦笑いをした
私はまだその苦笑いの意味に気づくことはなかった
レン・・・・・・・・今更になって私こんなところに来てるよ・・・
あの時は本当に馬鹿馬鹿しいって思ってたのにね
今更になって神頼みなんて・・・
それでも・・・どうしてもお願いしたことがあったんだよ
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