青い春なんてクソくらえ

5/24
前へ
/302ページ
次へ
それでも俺は頑張った! 今まで一緒に遊んできた仲の良い友人達の誘いを、涙を飲んでことごとく断り、全くの無縁だった、いわゆるガリ勉君達と帰り道を共にするようになった。 親は、俺なんかにゃ期待しても無駄ということで、当然塾なんかには行かせてもらえなかった。 そんな訳で、信じられるのは自分のみで頑張ってきたわけだ。 しかし、その苦労のおかげで今の俺がある! 「進学校」、良い響きだなぁ。 「よし!」 俺は気合いを入れ直して、制服を取り出した。 素晴らしい…この他校の制服とは一味違った雰囲気を醸し出すブレザー。これまた特別さを全体でアピールしてくるズボン。そして極めつけは「美」をそのまま表現したような赤いネクタイ。 どれをとっても素晴らしい…。 「ヒヒヒヒ!」 少々変質者的な笑い声をあげながら、俺はブレザーに袖を通す。 心なしかその感覚すら最高に思えてくる。 その時だった。 「なにニヤニヤしてんのよ?気持ち悪い。」 「月姉!」 窓の向こうから本気で引いた表情でこちらを眺めている月姉がいた。 月姉はもう指定の女子制服を着ている。 ヤベッ!萌え! 「ひ、人の着替えを覗くなよ!」 「何よ、あんたの制服姿を一目見て爆笑してやろうと思ったのに、興ざめだわ。」
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5525人が本棚に入れています
本棚に追加