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ひでぇよ姐さん…
「ちょっと、何も泣くことないじゃない!?」
「いや、別に泣いてないけどさ…それでも年頃の女の子が男の着替えを覗くってのは、どうかと思うね。」
俺はブレザーのボタンを締めながら言った。
「今更恥ずかしがる事ないじゃない。昔はお風呂だって一緒に入ってたんだから。」
「そ、それは昔の話だろ!今は全然別だし、それに、俺は…」
「何?」
「いや、なんでもない。俺、朝飯食ってくるわ!」
「あっ、陽介!?」
後ろから月姉に呼ばれたが振り向く事なく、俺は部屋を出た。
「俺は月姉が好きなんだ」、その一言が言えずに逃げ出したのさ。
だってそうだろ?言えるはずがない。
向こうは全く俺の事なんて意識してないみたいだし…。
「母さん、飯は?」
リビングについた俺は、キッチンで何やら洗い物をしている母さんに声を掛けた。
「あら陽介、おはよう。それ高校の制服ね、なかなか似合ってるじゃない!イマイチ陽介には似合わないような気がしてたんだけどな。」
なんちゅー事を言う母親じゃ!
「おお、陽介じゃないか!!」
今度は父さんのおでましか、早く飯食いたいんだけど…。
「父さん、おはよ」
「おはよう!うん、確かになかなかあっているぞ、その制服!月音ちゃんにも見せてあげなさい!」
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