†守護者は世界を守る守護神へ†

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「ああ、分かってるさ……これは自分勝手な俺のエゴだ」 シオンの額に大粒の汗が浮かぶ。 雨粒ではないと断定できるのは、雨がシオンを避けるように降っているから。 シオンの周りを雨が避けているだけではない。それこそスポットライトのように、雨雲が裂けて陽光が降り注いでいる。 周囲で降り続いている雨が自己の意思を持ち、任意でシオンを避けていると思っても不思議ではないだろう。 (      ) また、シオンの頭の中でシェラの、言葉とは言えない声が響く。 シオンはシェラの言葉を聞き自分の内に施した魔力制御の楔を一気に全て外し、数倍に跳ね上がった魔力の全てを神器へと流し込む。 (  、    ) 「ああ、分かってる。分かってんよっ!!このまま行ってもメルカトルに住まう全ての住人を復活させるには魔力が足りないんだろっ!?だったら――俺の生命力でも何でも魔力に変換して持っていけばいいっ!! 俺の全てを……くれてやる」 シオンが咆哮のような叫び声を上げた瞬間、神器が一際眩い閃光を放つ。 それは時計塔から天へと昇り、一気に爆発し雨雲を消滅させ天候をも変えてしまった。 「はっ、いい景色じゃねェか……」 シオンはその場に崩れ落ちる。 その表情はやり遂げたと言うような満足感に溢れた笑みを浮かべていた。
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