21324人が本棚に入れています
本棚に追加
シオンはやっぱりこうなるのかと溜め息を吐くと、何かを思いついた様な笑顔を浮かべて門番の兵士達を見る。
「ここの責任者は誰だ?それくらいは教えてくれてもいいだろ?」
兵士達は顔を見合わせると、ニヤついた表情を顔に貼り付けながらシオンを見る。
「ここの責任者は黄金の旋律一番隊の隊長ミラ様だ」
そう言った兵士達の表情は何故か誇らしげになっている。
それとは逆にシオンの表情は明らかに苛立ったものになっている。
「お前等な……そんな簡単に情報を与えてどうする。
俺が敵なら、ここの位置も警護している人間もバラした事になるんだぞ!!」
シオンの怒鳴り声は森の中ではなく、いつの間に入っていたのかアーチの中にいたので壁の中に響き渡る。
そのシオンの声に驚いたのか、はたまたシオンの表情に驚いたのかは定かではないが、兵士達は震えながらシオンに向かって敬礼している。
最初のコメントを投稿しよう!