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「あ~っと……久しぶり」
シオンは右手を上げてミラに挨拶をすると、十五人からいるミラの集団はにっこりと笑いながらシオンに近付いて行く。
「『久しぶり』じゃないですよ!!今までどこに行っていたんですか!!」
ミラは興奮の余りシオンの胸座を掴んで……というか首を絞めて、壁に押し付けている。
当然、そんな状態で答えられる人間はいないだろう。
「ぐえぇ!?……――っっっ!!!」
シオンはミラの手を叩いてギブアップを伝え様としているが、失敗……というよりも悪化。
ミラの手は緩むどころか、更にシオンの首を絞め上げていく。
(も……無理――後で覚えて……ろよ)
シオンはそのまま意識を手放していく。
その後、シオンがミラの絞め上げから解放されたのは、意識が完全に泥の中に埋まった五分後……そしてシオンの顔色が紫から黒に変わった頃だった。
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