†Prologue†

2/5
前へ
/400ページ
次へ
ここは大国メルカトルの首都フィメールにある王城。 話はシオンがメルカトルに帰ってくる数日前に遡る。 「女王陛下!!」 一人の兵士が慌てた様子で謁見の間に飛び込んでくる。 玉座に座っている老人とも言えないが、決して若いとも言えない女性、女王が兵士に訊ねる。 「どうしたのですか?」 女王は兵士の様子からただ事ではないと判断し、兵士の話に耳を傾ける。 兵士は息も絶え絶えになりながら大声で女王に報告する。 「も、申し上げます!! 只今、ここフィメール近郊にて漆黒の鎧を纏った兵隊が多数接近中!!シルディア兵だと思われます!! 報告によりますとその数……――」 兵士が唾を飲み込む音が謁見の間に響いた様な気がした。 それ程、この場の空気が張り詰めているのだ。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21324人が本棚に入れています
本棚に追加