†Epilogue† ―Sion―

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気になるのは大国メルカトルのその後だろう。 メルカトルは一人の守護者、鬼神のお陰で大陸も国民も、その全てを取り戻す事が出来た。 勿論、女王クララも姫ミリアも健在だ。 だが、残念な事に白銀の旋律はとある理由から解散され、今は新しい部隊が作られている。 その部隊にはミリアを筆頭に白銀の旋律に所属していたメンバーが顔を揃えていた。 「さあ、今日も元気に視察に行くわよっ!!」 ミリアは上機嫌な笑顔で城から一歩を踏み出そうとするが、ミーナに襟首を掴まれ阻止される。 その時に首が絞まっていたのだが、ミーナは確実に絞めるつもりでやったに違いないとミリアは確信を得ている。 「ちょっ、あんたねっ!!私が死んだらどうするのよっ!?」 「あら、そんなヘマするはずないじゃないですか~。それに、クララ様の言いつけをシカトしてお出かけになろうとするミリア様なんて、一度死んじゃえばいいと思いますよ」 光輝いているような錯覚を覚える素敵すぎる笑顔で、辛辣と言うか悪辣な言葉を投げかけるミリア専属の侍女ミーナ。 本当に自分はこの国の姫なのかと本気で疑ってしまった瞬間だった。勿論、涙目で。
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