†Prologue†

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そして女王だけではなく、警護に当たっていた女王専属魔術師団〝黄金の旋律〟の隊員も兵士の言葉を黙って聞いている。 「その数……――三十万以上だと」 「三十万だと!!?」 その場にいた兵士達は驚きの余り復唱してしまう。 黄金の旋律の隊員は即座に自軍の兵の数を計算する。 しかし集められたとしても十万が限界。 数的にシルディアが有利になるのは間違いがない。 国内最強の部隊、黄金の旋律の全部隊で出ても三十万のシルディア兵を殲滅させるのは難しいだろう。 「こんな時……――〝守護鬼神〟がいてくれれば」 一人の兵士の呟きを聞いた全員が俯く中で、女王だけはしっかりと前を見据えている。 「全兵士、隊員に伝令します、全軍で民間人を連れてフィメールから避難の誘導を、そして民間人の避難が済み次第、我々もフィメールを放棄し撤退します」
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