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シオンがメルカトルに戻って来てから一週間が過ぎたが、未だにミリア達を見つける事が出来ないでいる。
そしてシオンは今、ミリア達を探して鬱蒼と生い茂っている森の中で、昔を思い出しながら歩いている。
(一人で森を歩き回るのは初めてだな……フィメールに亡命してきた時もシリルがいたしな)
それから三十分は歩いただろう、シオンは森を奥へ奥へと進みながらもミリア達がどこにいるのかを考える。
この森はかなり深い様で、歩いても歩いても果てが見えてこない。
流石に疲労を感じたシオンは、少し休もうかと思い、近くにあった大きな木の根元に腰を下ろそうとした時だ。
「何で今まで気付かなかったんだ……俺」
シオンが座ろうとした木の向こう側。
そこには……――
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