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「な、何だ……これ――」
その視界いっぱいに広がる光景に、シオンは立ち尽くしてしまう。
シオンの目の前にあるのは高い壁……地球にあるちょっとしたビルの高さ程もある壁が森を遮る様に延々と横に広がっているのだ。
「いつの間にこんなのを造ったんだ?」
シオンは壁を見上げて、思わず声を洩らしていた。
これだけ高い壁なら遠くからでも視認できたはずなのに、シオンにはまったく見た覚えがなかったからだ。
シオンは右手で壁に触れると、その在り方を調べ始める。
「これは……不可視の魔術と防音の魔術がかけられた壁か――中には何があるんだ?」
シオンは疑問に思いながら視線を横に移すと、少し離れた地点にぽっかりと穴が開いているのを見つける。
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