初仕事

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カーゴの上で外の景色を眺める二人、遠方には夜空に煙をまき散らすマリー火山がみえる。 ニット帽をポッケにしまいゼンが呟く。 「シュウはどうして発掘屋を手伝おうと思ったの?」 シュウは腕を組みながら少し考えて、照れながら答えた。 「う~ん。ヤッパリ自分のRFを格安で手に入れるなら、原材料から調達した方が安上がりかなって思ってさ!俺金ねぇし。」 第三セクターは60%以上が砂漠、30%は岩山で人が住める場所は限られている。近年、人が進出し始めたほぼ未開拓の地域だったが、近年開始された調査から岩山にグレンタイトと言われる鉱石の鉱脈が見つかった。 グレンタイトという鉱石は電流に比例して紅い光を放ちながら揺らめきながら浮遊するという特殊な性質を持っているが衝撃や熱にとても脆く、粒子を帯電させて瞬間的な加速に利用。限られた使い方しかされず消耗品扱いだった為、加工には向かない規格外の素材だ。 その性質を極限まで引き出し、強度と熱の問題を解決したエオシウムという特殊合金が開発され、近年発表された新型MFの80%以上の外装に採用されている。 つまりグレンタイトさえ粗方手に入れれば大体は安くすむとシュウは思ったのだ。
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