序章

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その平和が如何に儚い物であるか 英雄達は痛い程感じていた それゆえに 二度と大乱を起こしたくない その意思で皆は 意思統一が図られていた そして その意思を纏める象徴が 求められていた だが その象徴を何にするか 曹操、孫権、劉備、信長 秀吉、家康、信玄、謙信 誰もが決めあぐねていた 「クククッ…おやおや…揃いも揃って渋い顔をして…遠呂智を倒した英雄達とは思えんな…」 英雄達が声のする方を見上げると そこには仙界に帰ったはずの 太公望が 嫌味な笑みを湛えて 宝貝に跨がっていた 皆が不愉快な思いを隠さないでいる中 劉備は太公望に問う 「今の我々には我々を統べる象徴がない…それゆえに皆の思惑がぶつかって太平の世を築く妨げになっているのだ…教えてくれぬか太公望殿…」 「劉備将軍…人の力を見せてくれた貴殿らしくもない…その様な下らない事で悩むとはな…」 そこに激昴した孫権が割って入る 「我々の苦悩を『下らない』とは何事だ!」
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