プロローグ

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一軒家。 田んぼ。 電車。 道路しか走れない車。 それらがあったのはいつの時代だっただろう。 今はどこにでもビルが立ち並び、田は消え、車も空を飛ぶようになった。 そんな何不自由なく暮らしてきた人間達。 だが今その人間は恐怖に晒されていた。 破壊思考型ロボット。 最初に現れたのはいつだろうか。 奴はいきなり街に現れ、全てを破壊した。 ロボットなら普通にいる。 茶を運び、人間を世話し、一緒に笑い、一緒に泣く。 もちろん喋ることも可能だ。 だがあのロボットは違った。 破壊だけを求めた。 ロボットが暴走したわけではない。 あんなロボットは存在しないのだ。 ということは誰かが開発し、送り込んだ。 そういう事になる。 もしかしたら武器を取れば人々は勝てたかもしれない。 だが無限に送られるロボットに人々の戦意は失った。 そのロボットに対抗する軍も新たな武器を作る前に潰されていった。 裏で糸を引く奴の命令だろう。 冷静で冷たくて人の死を何とも思わない奴に違いない。 そいつの目的は何なのか? いや、そんなの知っても関係ない。 人々に戦いの意志はないのだから。 だが奴等は現れた。 戦う為に…
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