8人が本棚に入れています
本棚に追加
少年は一気に駆けた。
いや飛んだと言う方が正しいか。
それ程速く、次の足が地面を掴むまでの時間が長い。
それは普通の人間の身体能力ではなかった。
ロボットの第二波、少年は地面を強く蹴り高く飛び上がった。
そして落下と同時に一太刀。
一体のロボットを一刀両断。
そのまま少年は二太刀、三太刀。
全てのロボットを斬り伏せた。
「おっさん! 終わったぞ。
そっちはどうだ?」
少年は耳に手を当て再びしゃべりだした。
斬られたロボットはショートしながらパチパチとうめき声を上げる。
少年はそれを見てさらに言葉を付け足した。
「こっちは楽勝だった」
少年は笑う。
よほど勝てたのが嬉しかったのか?
それとも『こっちは』ということは話し相手も戦っていて苦戦しているからなのか。
そうだとしたらこの少年の性格は最悪だ。
少年が細剣を鞘に戻したその時である。
少年は徐々に近づいてくる男に気がつかなかった。
「奇遇だな…俺もだ」
少年は声に反応し、すかさず振り返った。
最初のコメントを投稿しよう!