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「おっさん…」
そこにいたのは190cmくらいあるであろう大男。
黒いマントを羽織り巨大な大剣と袋を背負っている。頭の茶色がかった髪はチカチカと日の光を反射していた。
「もう終わったのか?」
「お前より数倍早くな」
二人は一言、言葉を交わすと同時に歩き出した。
二人共、行き先は分かっていた。
「けど派手にやりやがった…」
大男が怒りの声を上げた。
少年はそれを聞くと笑い、大男を見た。
「だが死者は少ない。
街も三分の一がやられただけだ。
街ならまた直せばいい」
『街なら…』と少年は言葉を残すとスタスタ歩くスピードを上げた。
顔には見せないが少年も平常心ではいられなかった。
二人は歩いていき、街のはずれにある小屋に入っていった。
扉もない小さな小屋。
窓も一つだけ、だがそれはただ小屋の真ん中を切り抜いただけだった。
そこからは大量の光が漏れる。
あとあるのは椅子二つと机が一つだけ。
「そういえば西の方でアピュターピーがさらに100万程増えたようだ」
大男は古びた椅子に座ると少年に手のひらサイズのパソコンを向けた。
そのパソコンはキーボードは付いているが画面を守る縁がない。
だが画面はちゃんとあった。
パソコンから発する光。
画面は映像だけ浮かび上がっていた。
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