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「奴等も勢いを増してきている
このままじゃあ防戦一方だぞ」
大男は机をバンッと叩いた。
ミシミシと机がしなる音が部屋に響く。
「確かに…」
少年は深く考え込んだ。
その姿に大男の熱い思いもどこかへ消え去ったのだろう。
大男は冷静になると少年に問うた。
「どうした?」
少年は両の武器を机に置いた。
そして大男のパソコンをもう一度覗く。
「この世界を何とかするにはやはり黒幕を消すしかない。
だけどその情報が無いと結局は空振りに終わる。
だから司令官を潰して潰して黒幕にたどり着くしか方法がないのはおっさんだって分かってるだろ?」
「で?」
大男の応答に少年は黒髪を掻いた。
「今はその司令官の情報すらない」
少年の言葉を聞き、大男は椅子に深くもたれた。
右手を顎に当て椅子をゆっくりと前後に揺らす。
だが良い案が生まれない。
少年と大男は最後の綱に賭けた。
「そこの立ち聞きしてる奴に聞くしかないな…」
「だな…」
二人の言葉にビクッと硬直したものがいた。
そいつはゆっくりと小屋を覗き込んだ。
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